高齢者施設では、レクリエーションやちょっとした空き時間に、歌をうたうことがよくありますよね。長期間入所している高齢者は、自宅で生活しているかたよりも季節の移り変わりが感じにくいかもしれません。歌は、幼い頃を思い出しながら、日本の四季の美しさを感じる機会にもなります。今回は、夏にぴったりの歌についてご紹介します。
夏の始まりといえば、「茶摘み」の歌がぴったりです。“夏も近づく八十八夜♪”この八十八夜とは、立春から数えて八十八回目の夜という意味です。つまり、夏がもう目の前に迫った時期の歌なんですね。
この時期には、お茶の若葉が茂る頃で、全国の色々な場所で歌われてきました。“あかねだすきに すげのかさ♪”の意味は、あかねという止血剤を塗った紐(たすき)で着物の袖をまくって、作業中のケガに対応しながら、日除けの笠をかぶっていたことが表されています。
2007年の日本の歌100選にも選ばれた「茶摘み」は、幼い頃に“せっせっせーのよいよいよい”と、手遊びで自然と覚えたかたも多いでしょう。
夏に歌いたくなる歌は、人それぞれあるでしょう。高齢者の多くは、童謡の「夏の思い出」に親しんできました。のびのびとした歌いだしや、ゆっくりとした曲調なので、口を動かしにくい高齢者も歌いやすいでしょう。
この曲は、中盤でやや高音のメロディーになったり、しっかり音を伸ばす部分もあるので、丁寧に歌うことでリハビリにもつながりますね。
七夕は、おとぎ話を子どもに教えるために、自宅で笹飾りを作ったり、歌を子どもに教えたかたも多いでしょう。七夕飾りをレクリエーションで作りながら、歌も楽しむと良いですね。この時期には、近所の幼稚園や保育園から慰問がある施設も多いのではないでしょうか。
七夕の歌といえば、「七夕さま」ですね。“笹の葉さらさら のきばに揺れる♪”でおなじみの童謡です。“さらさら”や“きらきら”といった歌詞を丁寧に歌うと、舌の体操にもなりそうです。
レクリエーションや余暇時間には、各家庭の思い出話や、幼い頃の夢の話、高齢者の子どもが願った夢の話など、話題作りにはもってこいですね。作った笹飾りを園児にあげたり、一緒に歌を楽しむとより思い出深い出来事になりそうですね。
「七夕さま」の歌を使った、座ってもできるレクリエーションも一緒にご紹介します。肩たたき体操といって、隣に座る利用者の肩をたたきながら、「七夕さま」を歌います。一方方向だけではなく、両隣のかたの肩を交互にたたくと、腰をねじる運動が自然にできます。
麻痺のある高齢者も一緒に楽しむ際には、麻痺側に職員が座るとなお良いですね。
海水浴は、多くのかたが経験したレジャーでしょう。「海」は、今の子どもたちも必ずといっていいほど習う歌ですね。“海はひろいなおおきいな…”と歌う現在の子どもたちは、歌詞通りに解釈して、“いってみたいな よその国”という言葉も、そのままの意味としてとらえられます。
しかし、高齢者がかつて子どもだった頃は、多少意味合いが異なっていたようです。「海」の歌詞の解釈には諸説ありますが、この歌は戦時中に作られた歌だという説が多く、兵隊を志願する男の子のために作られたとされています。
こうした、語り継がれた歌の時代背景や、意味について調べてみると、高齢者が生きてきた時代のことが少しでも理解できるかもしれませんね。
「海」を歌いながら、簡単にできる体操の例もご紹介します。ゆっくりとした曲調のため、高齢者のペースにもあわせやすいですよ。童謡は、歌謡曲と違い短い歌詞のものが多いため、たくさんの動作をする必要がなく、高齢者も参加しやすいでしょう。
もちろん、体操を伝える職員の負担も軽くなるため、まだレクリエーションに慣れていない職員さんにもぴったりです。
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