認知症には散歩が効果的！？｜介護福祉士・社会福祉士・ケアマネージャー・初任者研修・ヘルパー｜介護求人専門サイト｜介護求人ガイド

　認知症と運動の関係については、色んな研究やデータがあります。身体を動かすことは脳にとっても良いとされ、認知症の進行予防のために運動、特に有酸素運動を取り入れよう！とさまざまなところで紹介されています。

　なぜ、運動が脳に良いのか？疑問に思いますよね。身体を動かすということは、脳から指令を出して筋肉を動かします。そして、筋肉からの信号が脳を活性化することにつながるようです。また、軽い疲労感を感じる程度の運動は、脳神経の機能を改善するとも言われています。

　高齢者が行う有酸素運動のなかで、一番おすすめなのが散歩です。散歩なら、ゆっくりしたペースで行うことができ、歩くということは新たに覚えるルールもなく、認知症のかたが取り入れやすいのも大きな特徴です。

　運動不足は生活習慣病につながると、ウォーキングは色んな場面で勧められていますね。健康意識の高いかたは、若い頃からウォーキングを行っていますよね。

　ウォーキングと病気の発生リスクの関係についても、色んな研究が行われていますが、1日の歩数が増えるごとに、病気にかかるリスクは少なくなることが知られています。これは認知症にも当てはまることで、運動不足は認知症にかかりやすくなり、活発な人は認知症になりにくい、と言われています。

　それでは、どのくらいの散歩が良いのか？気になりますよね。一説には、1日30分、週3日以上が目安とされています。軽い疲労感を感じる程度が良いとされ、ぐったりと疲れてしまうほどの運動をしては逆効果につながることもあるようです。

　散歩は、主に下半身を動かしますよね。上半身もしっかり動かすために、手を動かしながら散歩したり、散歩前の体操で上半身をしっかり動かすと良いでしょう。

　散歩が認知症に良いからと、積極的に外を歩くのはとても良いことです。しかし、認知症の症状によっては、散歩に出かけたまま自宅に戻れなくなる可能性が出てきます。

　認知症は、「ここはどこか」「どうしてここにいるのか」分からなくなる病気です。そのため、長年住み慣れた地域であっても、場所や帰り道が分からなくなり、迷子になってしまうことがあるんです。

　残念ながら、認知症のかたの迷子による行方不明者は、少し昔に比べると増加しています。24時間365日、認知症高齢者の行動を把握することはできませんが、地域住民みんなで少し気にかけてあげることで、防げる事故は増えますよね。たとえば、困っている高齢者を見かけたら声をかける、一人で認知症高齢者が歩いていたら家族に教えてあげる、家族から地域住民に協力を呼びかけておく、などできることはたくさんあります。

　散歩は歩ける人しかできないから…と、足腰の悪い認知症高齢者の場合はどうすれば良いのか、分かりませんよね。車いすが必要なかたは、日光浴をするだけでも効果的なんですよ！

　日光浴には、色んなメリットがあります。まず、午前中の日光浴は、しっかりと目を覚ますことにつながり、規則的な生活につながります。こうすると、夜間ぐっすり眠りやすい身体が作られるため、家族も休む夜間の介護負担も減りますよね。

　自宅で認知症高齢者の介護をしている家庭では、夜間の介護に負担を感じている場合が非常に多いです。日中にゴロゴロしていると、生活リズムが崩れ、夜間に目が冴えてしまいますよね。認知症高齢者の場合は、夜間だから静かにしよう、という認識ができなくなることから、ゴソゴソと活動することにつながり、家族も心配で眠れない…という悪循環につながってしまうんです。

　ですから、夜間の負担をお互いに減らすためにも、午前中にしっかり日光浴して、体内時計が崩れないようにすることは、とても良いことなんです。

　また、車いすに乗って日光浴するまでには、ベッドから起きて座り、立ち上がり、車いすに乗り…と、身体を動かすことにつながります。体力が低下している人にとっては、座る時間を作ることや、立ったり座ったりの動作をするだけでも運動になります。

　運動することは脳にも良いとされていますから、できる範囲で身体を動かすことが大切なんですね！