介護の世界に飛び込む皆さん、特に若い世代の方のお悩みは「介護者のお年寄りとのコミュニケーション」ではないでしょうか?
私の祖母は現在80代。戦時中は学生さんで軍需工場に通っていたりしたので、割とはっきりと戦争中の記憶が残っています。戦争中は毎日イモ食べてたとか土日休みなくて遊べなかったとか苦労話をよく聞かされていました。
そんな彼女に「今まで一番大変だったのってどの年?」と質問してみると、きっぱりと「オイルショック!」との答えが返ってきます。少々意外なようですが、一家の主婦として体験したオイルショックは相当強烈な思いでだったようで、オイルショック以降、トイレットペーパーの買い置きは常に2袋。それ以下になるとソワソワして、すぐに買いに行きたくなってしまうのだとか。よく「トイレットペーパー買いにつれてけ」と言われます。
オイルショックとは、実は1970年代に2回起きています。1回目は1973年におきた第四次中東戦争の影響で起こった原油価格の急上昇。2回目は1979年におきたイラン革命の影響による原油価格の急上昇。それぞれ第1次オイルショック・第2次オイルショックとも呼ばれます。
「オイルショック」を象徴するシーンとして「トイレットペーパーの買占め事件」が浮かぶ人も多いと思いますが、なんでこんな事が起きたのかというと、1973年に産油国が原油価格の引き上げを決め、それを受けた当時の政府が「紙を節約しましょう」と10月19日に呼びかけました。するとたちまち「紙がなくなる」という噂が流れはじめます。
そんなタイミングで11月1日、大阪のとあるスーパーが特売広告に「紙がなくなる!」と書いたチラシを配りました。これは「激安すぎて、あっというまに売り切れますよ」という意図を込めて配ったようなのですが、それを見た近所の主婦約300人が列に並び、あっという間にトイレットペーパー500個が完売する、という出来事がおこりました。
その出来事は早速新聞記事に「あっと言う間に値段は二倍」などのショッキングなコピー付きで掲載されます。それ以降、騒ぎは急拡大し、全国各地に噂が広がります。各地のスーパーでは同じような行列が発生し、マスコミもさらに大きく取り上げる。パニックはあっというまに全国に拡大しました。
実際ほんとに紙不足だったのか?というと、実はパニックが広がるまで、生産量はほとんど変わっておらず、パニック発生後はむしろ、あわてて増産していたそうです。家に大量のトイレットペーパーを買い込んで、さらに買い足す。お店と主婦の「買占め」と「売惜しみ」は結局翌年3月まで続いたそうです。
トイレットペーパー以外にも、節電のため街燈消灯、テレビも短縮放送になり、ガソリン、灯油の値上がりで暖房もつけられない、文房具まで消えてしまう、買占めによる品不足がおこります。「洗剤も砂糖も醤油もなくなって―」と祖母の口から次から次へと消えた商品が飛び出します。当時の必死な気持ちが甦ってきたようです。
高齢者にとって、楽しく生き生きと過ごしていた過去や苦労話でも、思い出して語ることで、とても良い刺激になります。お年寄りの思い出話には、ぜひじっくりと耳を傾けてあげてください。
お年寄りの若い頃についていろいろ質問してみるといいかもしれません。60代の方も、学生時代にオイルショックを体験しているはずなのできっと盛り上がれるでしょう。
これらの会話ネタでがっちりハートをつかんでくださいね!
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