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介護コラム

アローンインザ介護

看取り、ターミナルケア――人生の最期に対する介護が注目を浴び、脚光を集める中で、その対局に位置するものは孤独死なのではないかと思う。

看取り、ターミナルケア――人生の最期に対する介護が注目を浴び、脚光を集める中で、その対局に位置するものは孤独死なのではないかと思う。

人生の最期の瞬間を想像することは非常に困難だ。そもそも経験したことのない出来事を思考力だけで再現・シュミレートすることがまず技術的に容易ではないし、またその瞬間を思い描くということは、日頃は忘れている「死」というものと向かい合わざるをえない、ネクロフォビアならずとも勇気を伴う作業であるからだ。

だから「理想の死」なるものを提示する時、それは本来的な想像力を欠いた、いささか能天気なものにならざるを得ないのだと思う。なるほど、それはアイロニーである。

しかしながら、常に語られる「理想の死」なるものの中で「沢山の孫(あるいは玄孫)たちに囲まれて見守られながら遂げる穏やかで眠りにつくような大往生」といったイメージは普遍的なものと言っても過言ではないかもしれない。

誰かに見守ってもらえる、誰かに看取ってもらえるということは、多少なりとも死につきまとう恐怖を和らげてくれるものなのだろうか?(少なくとも、そういったイメージが普遍的に根付いているといってもいいだろう)

「看取り」というケアが重視されるのは必然なのかもしれない。

「孤独死」というおぞましい単語は、誰も看取ってくれない、といういたたまれないイメージを想起させる。死後も誰にも気づいてもらえず死体も放置されたまま、という借家住まいの身であれば、管理人さんへご迷惑をおかけしてしまいそうな問題もあるが、これは死んでしまっては気にすることもできないのだから、一先ずは置く。やはり、本質的に孤独死の恐ろしさには死に至るまでの、誰にも気づいてもらえないといういたたまれなさがあるのではないかと思える。


人間は幸福なことに、何かに没頭する時は自分がいつか死ぬかもしれないという可能性を意識することから逃げることができる。

だからまあ、今は仕事にでも没頭しよう。そうすれば、貯蓄だってできる。貯蓄ができれば、施設に頼ることだってできるのだから。


【文責・狭島粉太郎】

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