介護をしていると、様々な利用者さんに会いますよね。病気や後遺症、障害などを抱えるかたの支援は、それぞれ一人ずつ注意点が違ってきます。また、高齢者の状態は日々変化しやすいものです。新しい病気を発症したり、加齢によって徐々に支援が必要な量が増えたり、逆にリハビリなどによって元気になることだってあります。お年寄りによくあるのが、喉に食べ物が詰まった、などの事故です。窒息は、急に起こり緊急対応が必要になるため、食事の時間は常に観察が必要ですよね。今回は、介護の現場でよく聞く嚥下について、ご紹介します。
嚥下(えんげ)とは、食べ物を認識して口に運び、胃に送り込むまでの過程のことを言います。よく、ゴクンと飲み込むことのみを嚥下だと認識するかたが多いですが、実はもっと広い範囲のことを表すんですね。
若い人はあまり意識しませんが、食べる時には、いくつもの過程があります。口に運ぶまでの動作、口に入れてからの動き、飲み込む時の動きには、外からは見えませんが身体の中でいくつもの部位の筋肉や神経が働いているんです。
食べることが難しい人の多くは、嚥下の過程の中に何らかの難しい点があり、嚥下障害と言われます。嚥下障害があると、食べ物が鼻腔に逆流したり、気管に入ってしまうこともあり、注意が必要です。
ゴホゴホとむせているかたは、明らかに嚥下に問題があると分かりますが、高齢者の中にはむせが見られない場合もあります。また、ゴホゴホとむせる力が弱くなることで、気管に入りやすくもなります。
なぜ、食べ物を飲み込む時に気管に入らず食道にきちんと入るのか、疑問に思ったことはありませんか?嚥下障害のないかたは、飲み込む瞬間だけ食道の入り口はフタをされ、気管への進入を防いでいるんです。でも、病気や後遺症、加齢によって、このフタをする瞬発力が弱まることで、気管に入りやすくなってしまうんです。
一般的に、75歳を過ぎると何らかの嚥下障害があると言われています。年をとると、飲み込みにくいと感じるかたは多いということですね。食道に入るべきものが気管に入ってしまうことを、誤嚥と呼びますが、誤嚥は肺炎や窒息につながりやすいため注意が必要です。
加齢によっても嚥下障害がみられる、とお伝えしましたが、若い人でも嚥下障害がある人もいます。たとえば、舌や咽頭、食道などの手術後には、飲み込みに使う構造の損傷により嚥下障害が起こることがあります。また、生まれつき飲み込みに使う構造に障害があるかたもいます。
飲み込む時に働く筋肉や神経に問題がある場合にも、嚥下障害がおこります。特に多い原因は、脳卒中やパーキンソン病などによる神経筋疾患、加齢、薬の副作用です。心理的な病気が原因で、食欲不振のあるかたも嚥下障害が見られることがあります。
自宅で介護をしているかたは、食事内容にも気をつかいますよね。1日に3度も準備が必要ですから、嚥下障害のあるかた向けの食事作りに苦労しているかたも多いのではないでしょうか。
嚥下障害のあるかたは、かむ動作に問題があるのか、飲み込むまでに問題があるのか、飲み込むことに問題があるのかで、食べやすい食事が変わってきます。そのため、嚥下障害がある人の食事は一律ではありません。
だんだんとむせることが増えてきたな…と感じた時には、少し注意が必要です。市販のトロミ剤を活用すると、水分補給の際や食事のトロミ付けに便利です。歯がないなど、かむ動作が難しいかたには、小さく刻んで出してあげるだけで食べやすくなります。
トロミ剤を使わなくても食べやすい食事としては、あんかけがおすすめです。また、肉や魚などパサツきやすい食材は、煮込むなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。毎回作ることが難しければ、ドラッグストアなどでも購入できる介護食を取り入れてみるのもおすすめです。
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