介護職はサービス業ではない！｜介護福祉士・社会福祉士・ケアマネージャー・初任者研修・ヘルパー｜介護求人専門サイト｜介護求人ガイド

　介護職がサービス業かどうか分からなくなることの原因には、サービス業が接客業だというイメージからくることも多いです。サービス業と聞くと、ホテルや娯楽施設、ショップなどでお客様をもてなす職業のことを思い浮かべませんか？

　そうすると、接客業＝介護職っていうイメージになりますよね。でも、実際に介護現場で働いている人はこの接客業＝介護職、ということに疑問を持つ場合も多いはずです。

　介護は専門職ですから、専門の知識や技術で高齢者の自立支援を行う職業だ、と認識しているかたは、さらにこの接客業＝介護職というイメージに違和感を覚えるのではないでしょうか。

　結論から言うと、介護職は広義の意味でサービス業です。あとで詳しくご紹介しますが、サービス業の範囲は非常に広いんです。その中で、細かく分けていった時に、専門サービス職として捉えられています。

　サービス業＝接客業ばかりではないのですが、接客業として介護をサービス業だと言う人の多くは、介護の仕事に就いていない人が圧倒的に多いでしょう。また、最近増加している、高級ホテルや高級レストランのような設備をもった有料老人ホームなどの施設では、徹底的におもてなしの心を大切にしていることもありますから、そのような場所で働くかたは、介護＝接客業と言うかたもいるでしょう。

　先ほども少し触れましたが、業種の全ては第一次産業、第二次産業、第三次産業で言い表されますよね。社会の授業で習ったはずですから、思い出してみましょう。

　第三次産業は、サービス業と言い表されますが、このサービス業の種類がとても多いんです。第一次産業や第二次産業に含まれない全ての業種は、この第三次三業に分類されるからです。法律や税のことを扱う専門家も、この第三次産業に分類されるので、広義の意味ではサービス業です。福祉や介護の世界も、第三次産業に入るため、サービス業になるんですよね。

　ですから、サービス業＝接客業というイメージそのものが間違っていると言えますよね。法律や税の専門家だって、人と接する仕事なのだから接客業だ…と言えば確かにそうかもしれませんが、ホテルマンのような接客業のイメージとはかけ離れていますよね。

　それでは、サービス業に分類される業種にはどんなものがあるのか、もう少し詳しく見てみましょう。サービス業は第一次産業、第二次産業に該当しない業種となりますから、まずは第一次産業や第二次産業がどんなものか知るとわかりやすいです。

　第一次産業は、農業、林業、漁業の分野です。そして、第二次産業は鉱業、建設業、製造業です。それ以外の業種は第三次産業であるサービス業ですから…とても範囲が広いですね！法律や税の専門家や芸術家、機械の設計士、美容師など、とっても幅広いんです。その中に、介護も含まれます。

　サービス業は、形のない財を提供する非製造業のことを指すと言われています。そのため、知識や技術を提供する専門家はサービス業に該当するんですね。

　サービス業＝接客業のイメージは、これで崩れたのではないでしょうか。もちろん、介護技術の中に接遇やマナーを身につけていることも含まれますから、接客業ではないから丁寧に接しなくて良い、と言っているわけではありません。

　しかし、介護職は専門職です。利用者の要望ばかりをきく御用聞きではありません。介護に関する専門的な技術や知識を持ち、介護保険法では自立支援を目指す、ということが明記されていますから、それを守る必要があります。接遇やマナーは、自立支援を進める上で必要不可欠なものです。人として、高齢者に接するに相応しい態度でなければ、高齢者の自立支援は叶いませんよね。

　介護保険で提供されるサービスは、税金が使われています。専門職として大切なのは、国のお金が使われていることに自覚を持って、介護保険法の目的に沿った支援を進めていくことと言えるのではないでしょうか。