介護相談員になるには？？どんな人が向いているの？｜介護福祉士・社会福祉士・ケアマネージャー・初任者研修・ヘルパー｜介護求人専門サイト｜介護求人ガイド

　生活相談員や支援相談員は、介護施設や介護事業所に配置される職員で、利用者や家族の様々な相談に対応するのが仕事です。

　一方、介護相談員は、介護施設や介護事業所に所属せず、市町村が選任する相談員です。第3者の目線から、高齢者やその家族の相談に乗ったり、会話やかかわりの中から課題を見つけたりと、高齢者の生活をより良くするために活動します。

　いわば、サービスと利用者との間で、橋渡しをする役割といったところです。介護サービスを受けている利用者や家族は、率直な意見を言いにくいと感じているかたも多く、希望や要望が反映されにくい現状があります。

　介護相談員が第3者の目線で介入すると、利用者の声が届きやすく、サービス事業者も改善点が明確になるため、どちらにも嬉しい存在です。

　介護相談員の活躍は、質の高いサービスの提供や、利用者の権利擁護、不安の解消につながります。

　介護相談員は、誰もがなれるわけではありません。市町村が、市民の中から事業の実施にふさわしいと認めた人に限られ、その数はまだ少ないです。市町村により選任されたら、養成研修を受ける必要があります。

　養成研修は、介護保険制度やコミュニケーション技法など、40時間のカリキュラムで構成されています。

　介護相談員は、原則2人1組で行動します。利用者の自宅や、サービス事業所を訪問し、利用者から話を聞いたり、サービス事業所でどんなサービスが行われているのか確認するために、行事などへ参加します。

　その中で、課題や改善すべき点があると、市町村へ報告し、サービス事業者へ改善点の提案をします。そして、その結果を利用者へ説明します。

　この一連の流れの中で、必要となるのは、利用者が話やすいと感じるコミュニケーション能力と、第3者の視点です。

　高齢者や家族の意見や要望、不安点を、ただ聞いて全てまとめて報告するのではなく、あくまでも客観的な視点で捉えることが大切です。

　高齢者やその家族と話すことが好きなかた、高齢者を取り巻く環境をよくしたいと願っているかたにおすすめです。また、客観的な視点で物事を捉えることができる、フットワークが軽い、ルールをきちんと守れるなどの要素も大切です。

　介護相談員は、守らなければならないルールがいくつかあります。やってはならない事柄も多く、知らないとついついやってしまいがちですので、注意が必要です。

介護相談員がやってはならない事柄を、ご紹介します。

• ・サービス提供事業所の評価
• ・介護にあたる行為（歩行の介助や椅子への座り換えの手伝い、食事を口に運ぶなど）
• ・利用者同士のトラブルの仲裁
• ・家族問題への介入
• ・遺言、財産処分に関する相談
• ・物品の修理

　いかがでしょうか？知らないと、うっかりルール違反になりそうなことが多いですよね。介護相談員は、話をしてもらいやすい関係性が求められるため、利用者も悪気なく何かを頼みたくなるものです。しかし、介護相談員の役割をきちんと明確にしておくことが大切なんですね。

　また、介護サービスについての意見や要望を聞いても、介護相談員の立場としては事業所の評価まではできないため、あくまでも橋渡し役に徹することが求められることも分かりました。

　介護相談員の活躍は、高齢者の快適な生活を陰で支える、とても大切な役割をしています。特に、介護サービス事業所にとっては、サービスの質を改善するための貴重な声として、よりよいケアにつなげることができますね。